2009-01-01から1年間の記事一覧

支援における死

パニック症状の激しい当事者を、数人の職員でおさえたという。 知的障害者の地域生活を強力に推し進めているとある団体のできごと。 外に飛び出したり、他傷行為もあるので、パニック時は職員が日常的におさえていたらしい。 そうしないと、本人の身体がもた…

ケア研(土)と生きた思想家(日)

11月21日(土)に立命館生存学プロジェクトのケア研に参加した。 前田拓也さんの『介助現場の社会学』を題材に、著者含め4人+司会者で座談会を行った。 前日も朝まで飲んでしまったので、けっこうふらふらだったけど、ともかく本を読みとおして、メモをと…

ケア論メモ

自分用のメモです。 以下は、堀田聡子さんの http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/jinzai/7-5.pdf からの引用。 Hochshild[1983]は、客室乗務員をとりあげて、肉体労働や頭脳労働に加えて職場において発揮するよう求められる自己の感情の管理を「感情労働」とよ…

施設と地域

またまた思いついたことを。施設と地域というとき、昔は全然別物の世界を指していたけど、ポストモダンの文脈からすれば次第に意味が薄れていってるのかなぁ、そんなことも思っていた。施設の地域への開放と、地域の施設化・病棟化とは同時並行的に言われて…

ふっきれ

とりあえずどっかでふっきれないとな、と思う。昔の概念思考、概念パズル合わせの悪癖がぬけていないので、なかなか語りだすことができない。今日は京大生協で2冊本を買ってしまった。 『人間形成にとって共同体とは何か〜自立を育む他律の条件』 『自己形成…

『介助現場の社会学』をパラパラ

前田拓也の『介助現場の社会学』を30分ほど、パラパラめくった。丁寧に議論されていて、とてもおもしろい。今度研究会があるからそれまでにちゃんと読んでおかないと。「ざわめく自身の身体を通じて社会を再発見すること。」(p331)なんてなかなか素敵なフレ…

癒し系

今日は誕生日だった。JCILのメンバーがお誕生日会をやってくれた。別の会議も重なっていたので、あまり盛大ではなかったけど。今日お誕生日なんだよ、とある人が広めてくれて、そしたら別のある人がじゃぁお祝いしないと、私が幹事をしますっ!と言って…

主体は後からやってくる

夜中にビール(プレミアモルツ)を飲みながら、イカ缶を食べた。 飲み屋だと1000円くらいしそうだが、家だと400円程度。 安上がりでいい。 なんとなく、うまいなぁ、と思いながら飲んで食べていた。主体は後からやってくるんだな、ということを最近よく考え…

「健全者問題論」

昨日大阪集会がおわった。 全部で60名ほど。 かなり密度の濃い集会だった。こうして、介助者たちが自分たちの立場から自分たちの経歴や気持ちや思いを語るということ。 それは、この社会の中で一人の人として生きていくという意志を示す上で、とても重要なこ…

『責任という虚構』

責任という虚構作者: 小坂井敏晶出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 234回この商品を含むブログ (32件) を見る『責任という虚構』(小坂井敏晶 2008年東京大学出版会) 人間は主体的存在であり、自分の…

介助者の障害

いやぁ、9月の25〜27日にかなりの無理をしてしまい、体が悲鳴をあげてしまった。 いまだ回復はせず、体の内部、外部といろいろ調子が悪い。25日(金)の夜、かりん燈の臨時会合があり、10月24日大阪集会の出演者全員そろっての打ち合わせ。 中身がめちゃ濃…

『神無き月十番目の夜』

半年ほど前だったか、飯嶋和一の『出星前夜』を読んだ。 そのときの、心の底にどしっと重石をおとされたような印象が抜けず、今度は『神無き月十番目の夜』という小説を読んだ。いずれも、時代背景は、戦国の世から、徳川の支配体制が確立していく時代の転換…

消えたけど

KDDI or AU or DIONと個人パソコンで契約しているのだけど、 支払い料延滞で、ネット接続がきられちゃった。それで、かりん燈のホームページもブログも、ぼくの個人契約の中でやっているので、現在休止中。今日確認したところ、ぼくがお金を支払ったら見れる…

いちど「自立」をおりてみる

とりあえず、書きあげた。口語体のなぐり書きだけど。 最後の方の仕上げは不十分。自分ではどう評価していいのかわからない。なかなか長大だが、確かにこのくらいの分量はいるように感じた。イメージでは、この自立論よりも、次の介助論の方が難産になりそう…

ソフトボール大会

8月29、30日とピープルファースト関係の合宿。立派な福祉施設に隣接する、街外れの山際の素敵な会館で、宿泊。 気持ちのいい二日間を過ごさせてもらった。ピープルと、他二つの、3グループが合流して合宿をした。 「はなそう・あそぼう・ともだち連絡…

無能力批評Cについて

「光の中から闇は見えない。」(田中美津) しかし闇が光に照らされたとき、再び闇は見失われる。 杉田俊介の「無能力批評C」を読んだ。(『無能力批評』大月書店所収) 副題は「1970年台前半神奈川青い芝と無能力のメルティングポイント」昨日書いた「でき…

介助することに障害のある人

立岩真也『弱くある自由』からの引用。 …能力を求めている(無能力〜障害を求めていない)のはこの「社会」そのものではないか。さらにその社会とは何か。ひとまず社会を構成しているのは一人ひとりではないか。…一人ひとりの私はどういう人か。何かを得られ…

ディジュリドゥ演奏 ― 呼吸 (bounce breathing)

息抜きにイダキ演奏の呼吸法(bounce breathing)についての英語の解説ページを訳してみました。 舌の動きについては解説がけっこうあるけど、呼吸法や腹の使い方についてはなかなか日本語のページで解説は少ないです。 舌の動きと鼻からでの呼吸を映像化した…

傷を背負うということ

自ら傷つき、そして人を傷つける。 傷の連鎖は果てしがない。 刻印された傷。その傷とともに生き続ける。 決して癒されることのない傷。 刻み込まれたその傷が、また他者をも傷つける。 受けた傷。理不尽な傷。 わけもわからずその傷を背負い、生き続けなけ…

『差別感情の哲学』

『差別感情の哲学』中島義道 (2009年 講談社)差別感情の哲学作者: 中島義道出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/05/15メディア: 単行本 クリック: 77回この商品を含むブログ (21件) を見る 罪のない冗談の中に、何気ない誇りの中に、純粋な向上心の中に、…

施設的なもの

昨日、おとついと、かなり疲れていたので、気持ちの赴くままに文章を書いてしまっている。かなり激しい口調できわめて批判的だけど、もちろん相手側(施設側)の言い分もあろう。ただ、施設内で行われていることは、やはりぼくが地域で見慣れている光景とあ…

「社会人としての常識」

昨晩は、昨日も書いたとおり、ある知的障害者と大もめ。怒声をかなり浴びたため、あまり寝つけず5時前に目が覚める。今日は、朝早くから、とある施設入所者のガイヘル。神戸に日帰り旅行。ただの日帰り旅行だが、施設とこれも大もめ。これを許可するだけでも…

障害者差別

やはり障害者差別の本質は、施設にあるのだと思う。町でいろんなトラブルが起こる。けれどもそれらはすべて人前で起こる。だから、衆目にさらされることで、社会に何らかの動揺をもたらしうる。けれども、施設内で起こることは、たとえ職員のネグレクトによ…

ディジュ爽快

最近なんかだいぶ疲れていました。 ケア疲れ、という感じ。ケア労働疲れ、というよりも、ケア疲れ、という感じだなぁ。仕事として、というよりも、ケアが仕事として成り立つ以前の、元ケア(Ur-sorge?)の部分で何かやられた感じがする。それでも今日は久し…

GW中の発表会

これ↓、かりん燈ブログに書いた記事です。 え〜、たくちゃんこと渡邉琢がゴールデンウィーク中に二つ発表(報告)をします。一つは5月3日京大時計台前のくびくびカフェで 「たくちゃんのディジュリドゥ発表会&トークライブ(20:00〜21:00)」 http://exta…

かりん燈特別企画in 東京 トークセッション 「介助者たちは、どう生きていくのか?」

東京でかりん燈の企画します。重要な企画なので、ここにも企画案内を貼り付けておきます。よろしくお願いします。 かりん燈特別企画(LLCてくてく協賛) 介助者の生き方・働き方を考える集い in 東京 トークセッション 「介助者たちは、どう生きていく…

『ベーシックインカム入門』(山森亮)と『新しい貧困』(ジグムント・バウマン)

ベーシック・インカム入門 (光文社新書)作者: 山森亮出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/02/17メディア: 新書購入: 24人 クリック: 276回この商品を含むブログ (128件) を見る先日の2月22日に、 「このままでいいの?〜障害者の所得保障 ―障害者の地域生活…

所得保障が十分だと働かなくなるのか?

22日(日)のシンポでコーディネーターを務めていたのだけど、パネリストへのこんな質問があった。「やっぱり所得保障が十分だと、働かなくなると思う。労働力の確保はどうしたらいいのでしょう?」これはいわゆる「労働インセンティブ」の問題だけど、この…

シンポおわり

昨日、シンポおわりました。内容としては、なかなかまとまりのよいものだったようです。残念ながら、ぼくも司会で参加したのですが、風邪でちょっと朦朧としており、眼鏡外して街に出た感じで、記憶もあいまい、個人的にはだいぶ物足りなさが残っています。…

明日はシンポ/単価上がるよん♪

明日はシンポジウム。DPI議長の三澤さんら、豪華メンバーです。 ぼくもコーディネーターの一人として参加します。詳細は→ http://blogs.dion.ne.jp/karintoupossible/archives/8032040.html しかし数日前から風邪で寝込み、一日23時間布団の中にいたので…