当事者運動

当事者運動。

その基本には、すべての人間は自分自身の人生の当事者である、という主張がある。
しかし通常は、「福祉」の対象となるような社会的弱者が、「福祉」の対象とされたままであることに異を唱え、むしろ自分自身が福祉の受給権をもつ主体だ、と主張し、自分自身で自分自身の生をコントロールし、自分の生をわがものとしようとする運動のことをさす。

これまでの福祉国家の中では、一人前の市民と、市民の値しない人間に区別されてきた。
後者が「福祉」の対象とされる人々だ。
前者の代表は、特に、企業でみっちり働く成人健康男性のことだ。
専業主婦は、若干その陰に隠れるが、「内助の功」という言葉にあるように、その企業戦士たちと子供・老人などの家族を家庭において支えてきた。
専業主婦にもそれなりの社会的地位が認められていた。

企業戦士にも専業主婦にもなれない人々、それがたとえば「障害者」である。
そして「障害者」は入所施設などのさまざまな福祉の「恩恵」にあずかってきた。
彼らは保護され、さらにその生を「管理」された。

とりあえず今日はここまで。