「時」

数もなく 日付もなく 

ただひたすらにうつろう

世間はうつりかわり

ぼくの周囲もうつりかわる

出来事が生じ また消え去る

新聞の紙面は日々にぎやかで

ふと気付くと 9・月・10・日と

目に映る


総理が辞任し

総裁選が始まり

総理が決まり

国会が解散し

総選挙が始まり

ビーイングが行われ

大集会に参加し

アピールし

人と出会い

意を固くし

そしてまた 崩れてゆく


ただ次々と 出来事が生じ 話題が生まれ

そしてうつろいゆく

うつろい 風景が流れ

昼が夜になり

夜が昼になる

夜は静寂で、昼は明るく

ぼくはただ

夜の静寂の中にひっそりと生息する

時もなく 言葉もなき

闇の奥の狂おしき情念とともに

お前はいつ ぼくのもとにくるのか