介助者学

かりん燈実施、緊急介助者アンケートの準備がだんだんできてきた。
→ http://blogs.dion.ne.jp/karintoupossible/archives/6696308.html
次は実行に移す段階。
ちょっと確認作業に手間取っているが、そろそろ実施できるはず。

下にアンケート趣旨を写しておく。
この日記呼んだ方で、協力していただける方はぜひ協力していただきたい。

それはそれとして、今日は昼間厚労省介護福祉士見直し論の資料を読んでいて、そこに出てきている介護福祉士のキャリアアップ像を見て、やはり愕然とする。

三角形の底辺にヘルパー。そこから段階的に
ヘルパー→介護福祉士→専門介護福祉士→施設長等
という順序で、頂点に施設長等がくる(2006年厚生省介護福祉士あり方検討会報告参照)。

これが厚労省その他、厚労省に近い関係団体がイメージする介護職のキャリアアップ像。

このイメージをそのまま受け入れている人の中には、岩田正美、駒村康平など、生活保護系ではかなり良心的な学者、また小島茂という連合のえらいさんなどもいる(2007年夏に出された厚生省社会保障審議会福祉部会の人材確保指針参照)。

介護を仕事とするという意味では、これは一般のサラリーマンの出世の道と類似しているのだと思う。

しかし、介助者・介護者はこのルートにのっかってはいけない。

障害者運動の中で、反施設、介助(パーソナルアシスタンス)といってきたのは、まさにこうした、地域介助の施設化に抵抗する、という意味がある。

障害者運動自体ももちろん、こうした流れに抵抗していくべきなのだが、すでにその抵抗の力はかなり弱くなっているように思う。

そして、介助者の側。

連合や福祉保育労、介護福祉士会関係など、主要団体すべてがこの介護福祉士の見直しの方向性に一定の賛成を示し、介護職のキャリアアップ像を共有している。

それに反対する介護者の会はいまのところ一つとしてない。
もちろん介護保障要求者組合などは例外だが。

けど、今は、その流れに抵抗する介助者の言葉が必要ではないか。

これまでのところ、ほとんど語られずにきた障害者運動における介助者の言葉。それをつむぎだしていかないと、今の大きな流れには勝てない。
この領域、実はすでに多くの蓄積があるのだが、強烈な自制心のなか、ほとんど明るみにはもたらされていない。

障害学会などで若干介助者についての言及があるが、けれどもその言葉がなんらかの力をもっているとは言い難い。

もっと戦うための言葉を紡ぎだしていかねば。

というわけで、戦いの言葉を考察していく「介助者学」が必要なのではないか。

それは、これから活動していく中で、おのずとついてくるかもしれないが。



緊急調査!障害者自立支援法に係る訪問介護労働者の生活・労働アンケート(仮)
〜介護者不足が深刻化! 私たちの声を国政に!〜

【アンケート依頼文】
私たちは、障害者の地域自立生活のための「介護保障」と介護者の「生活保障(労働条件の確保)」を望む介護者・介助者集まりです。
 今、相次ぐ社会保障の切り捨て、介護報酬単価の削減などに伴い、事業主の懸命な経営努力にもかかわらず、介護者不足が深刻化しています。深刻な介護者不足や無理な介護派遣は、利用者の生活・生命に大きな負担・危険を及ぼします。また、現在の低い報酬単価では、働く人々の労働条件の確保や職務上必要なフォローが金額的・経営的に無理であり、そのためさらなる介護者の職離れが起きています。今のままでは厳しい条件下(ワーキングプア)で働く人々の生活が守れないばかりか、障害者の生存の危機もますます進行していきます。
今、この厳しい現状を打開すべく、障害者の地域自立生活を求める声と連動し、私たち介助者も国に対して社会保障の責任を果たさせるよう働きかけていくべきではないでしょうか。
今回のアンケート調査は、まさに国に対して、介護者が働き続けることが可能な生活保障及び労働条件の確保、そしてそれを実現するのに必要な介護報酬単価の引き上げ(もちろん基本には障害者の地域自立生活の保障があります)を求めるための基礎データ集めとして行います。
集められたデータは、私たち「かりん燈」をはじめとする介護者の会が行う国に対する要望活動と同時に、「障害者の地域自立生活確立の実現を求める大行動実行委員会」が行う行政交渉においても資料として用いられます。
みなさまのご協力、なにとぞよろしくお願いします。
【アンケート実施者】 かりん燈 万人の所得保障を目指す介助者の会 その他有志
【アンケート目的】  障害者の地域自立生活を支える介助者・介護者が安定して働き続けることができるためには何が必要かを、介護労働者の観点から、現在の介助者・介護者の労働実態調査・意識調査を通じて明らかにし、それをもとに今後の持続可能な介護保障に係る施策について厚生労働省に提言し、またマスコミ等を通じて世間にお知らせする。
【アンケート対象者】 下記のアンケート配布協力団体に属する障害者自立支援法に係る訪問介護労働者 300名ほど予定
【アンケート調査期間】 2008年1月中旬〜2月初旬
【アンケート配布の仕方】
1.東京、神奈川、京都、大阪の事業者ネットを通じて各介護者にアンケート回答を依頼する。
2.全国大行動のMLを通じて、アンケートに回答してもらえる事業所を募集し、回答を依頼する。
【アンケート調査実施協力者・協力団体】 岡部耕典(リソースセンターいなっふ主宰、早稲田大学客員准教授) パーソナルアシスタンス☆フォーラム実行委員会
【アンケート配布・回答協力団体】 障害者の地域自立生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会 京都市居宅介護等事業連絡協議会 居宅サービス事業者ネットワーク(東京) その他申請中

アンケート協力者、協力団体募集中! かりん燈活動協力者募集中! 下記までご連絡下さい
問い合わせ先:かりん燈(渡邉) Mail:taku_tchan@hotmail.com