深夜コンビニ不買運動

『エンドレス・ワーカー』小倉一哉を読んでいる。
日本の雇用者の「労働時間」についての研究。

日本人の長時間労働はつとに知られているけど、その最近の動向や傾向について労働者アンケートをもとに分析したのが本書。

長時間労働とストレスとの相関関係などはあまり明確に出てこないようで、別に長時間労働でもストレスがないケースなんかも、統計上は認められる。

とりたてて驚くべき統計結果が出ているわけではない。

全般的に見て長時間労働は人々の生活に悪影響を及ぼすということをいろんな視点から論じているけど、労働者の中には自分から進んで長時間労働に携わる人もそれなりにいる、ということもどうやら分かってくる。

自分たちが調査したデータと「労働時間」にこだわりすぎのようで、もう少し柔軟に論じてもいいのかな、と思ったが、まぁ全般的な傾向を見るには役に立つ。

さまざまな労働者の働き方を個別に見た事例は、けっこうおもしろい。看護師や学校の先生、工事現場の責任者、システムエンジニア等々。どこにおいても長時間労働の問題は大きな課題であり、しかも、おそらくそこの一部分だけを見ていて片付く問題ではない。
社会構造に起因する大きな社会問題ともいえるし、働く人、働かせる人、社会通念、法律、さまざまな人、ものが関わってくる。一筋縄ではいかない。


「深夜コンビニ不買運動
深夜コンビニで買い物するなんて、ダサいよ。こんな意識が社会に浸透していかないとね。
明らかに、深夜コンビニとかは、多くの低賃金過酷ワーカーによって支えられている。
店員だけでなく、工場でつくる人、商品を運ぶ人など、多くの人が犠牲になっている。

「宅急便時間不指定運動」
長時間労働のもっとも過酷なのが運輸業。受け取る側が時間まで指定するのはちょっとご都合よすぎるのでは。
自分からとりにいこうよ。

深夜コンビニも、宅急便時間指定も、いずれも消費者からいえば、長時間労働のためにそれを利用せざるをえない。
仕事が深夜におわり、もはや買い物ができなくては困る。
朝から晩遅くまで働いているため、宅急便を受け取る暇がない。
けどそれが別の人の長時間労働を招いている。

なんとかしないとね。

少しずつでも、社会のムーブメントの中に浸透していけばいいね。

「深夜コンビニ不買運動

「宅急便時間不指定運動」

あ、あと、100円ないし99円不買運動も広まればいいね。
貧乏スパイラルを断ち切るために。